理系だと大学で学んだことが就職に直結することが多いですが、文系の場合法律系の仕事以外なかなか大学で学んだことが就職に繋がりません。
そのため、新卒で入社した会社の仕事が自分に向いていないと感じた場合、転職の選択肢が営業職くらいしかなかったということが多々あります。
営業職は頑張りが結果に直接つながる仕事なので、向いている人はとことん出世をしますが、そうでない人はいつでも平社員のままでキャリアを形成できない可能性が高いです。
そこで、文系で営業職以外の仕事に転職するにはどんな職種を狙えば良いのでしょうか。
最初は大変でもキャリアが形成できることがある
文系で転職できる仕事は営業以外にもたくさん存在します。
しかし、そのうちの多くが肉体労働であるため、なかなか転職に踏み切れないと言う人も多いでしょう。
ただ、肉体労働など忙しくて大変な仕事の中にはキャリアアップをすることで長く働けるポジションを獲得できることもあります。
飲食業界
まず一切経験が無い人を多く募集しているのが飲食業界です。
飲食業界に対してブラックというイメージを持っている人は多いでしょう。
そのイメージから飲食業界は深刻な人手不足に陥っています。
一般的に飲食業界の未経験者採用では総合職として入社することとなります。
総合職として入社すれば、最初のうちはお店の仕事をしなければいけません。
飲食店の仕事は大きく分けると料理を作るキッチンと、お客様を案内するホールの仕事の2つがありますが、正社員の場合は両方の仕事を覚える必要があるため大変です。
また、飲食店で働く従業員の多くがアルバイト・パートの人となっています。
アルバイト・パートの人の穴埋めは社員がやらなければいけません。
そのため、なかなか自分が希望する日に休みを取ることも難しいです。
飲食店の正社員はこのような点から大変と思われ、避けられていると言えるでしょう。
しかし、お店の仕事に慣れてきたら店長となり、その後はエリアマネージャーなど仕事内容もお店の中の仕事よりマネジメント系の仕事が中心となります。
総合職採用なので、マネジメント以外にもたくさんのキャリアが用意されており、事務系や商品開発など様々な仕事に挑戦できます。
そのため、飲食業界の仕事は最初のうちはハードですが、経験を積むことで様々な仕事に挑戦でき、やってみたい仕事があるけれども年齢的に今から勉強を始めるのはもう遅いと思っているなら飲食業界がおすすめと言えるでしょう。
ホテル業界
次におすすめするのがホテル業界です。
ホテル業界の仕事も飲食業界同様なかなか休みが取れなくて大変であることから避けられてしまいがちになり、人手不足に陥っています。
それに、ホテルの需要が下がる可能性は低いでしょう。
そのため、未経験から異業種へ転職したいならホテル業界も安定して働けておすすめです。
一般的に未経験採用で入社した場合、ホテルスタッフからスタートすることになります。
ホテルスタッフの仕事はベッドメイキングやお客様のご案内など様々で、入社してみないとどこに配置されるかわかりません。
この段階だと、お客様からのクレーム対応など辛い仕事を任されることも多く、それがきっかけとなって辞めてしまう人も多いです。
それに、ホテルは24時間営業なので、生活も不規則になってしまいます。
ホテル業界でキャリアを形成していきたいと考えているなら、この点を理解しておく必要があるでしょう。
ただ、ホテル業界は経験を積んで管理職クラスになることができれば世間一般よりも高い給与を稼ぐことができます。
外資系ホテルならなおさらでしょう。
ホテルの管理職クラスになるには、フロントやレストランなど様々なホテルの仕事を2～3年程の頻度で渡り歩き、ホテルの仕事をすべて理解する必要があります。
そのため、安定してデスクワークに取り組めるのは30代半ば～40代頃になってしまう点がホテル業界は大変です。
ただ、管理職になると、ホテルの経営に携わるゼネラリストや、特定の分野に特化した仕事をするスペシャリストなど様々な仕事を任せてもらえます。
それに、ホテル業界の仕事を一度覚えれば、日本だけでなく海外で働くということも可能です。
そのため、ホテルで働く人の中には英語を勉強して海外移住をし、海外のホテルへ転職をする人もいます。
IT業界も狙い目
日本のIT社会化が進んでいくにつれて、ITエンジニアの需要は年々高くなっています。
しかし、エンジニアの数が足りておらず、IT業界も人手不足を解決するために、積極的に一切プログラミングなどを学んだ人を未経験から一人前のエンジニアへ育てようとしています。
一般的にプログラミングを学ぼうとすると、プログラミングスクールへお金を払って通う必要があります。
しかもプログラミングスクールは受講料がとても高く、なかなかスクール代を捻出できないためにIT業界を諦めてしまう人は多いです。
しかし、IT企業の中には一切経験が無い人に対して新入社員研修という名目でプログラミングを教えているところが多数存在します。
そのため、プログラミングを学ぶのにお金を払うどころか、お金を貰うことができます。
このようにスキルを身に着けるために必要な費用のことを考えなくても転職できる業界なので狙い目と言えるでしょう。
IT業界で未経験から目指せる仕事は2つ
IT業界で未経験から目指せる仕事はプログラマーとインフラエンジニアです。
どちらもエンジニアと呼ばれる分類の仕事なので、IT業界を詳しく知らない人だとどちらも同じ仕事に思えるかもしれませんが、仕事内容は全く違います。
プログラマーの仕事は世間一般が思うITエンジニアの仕事と言っても良いでしょう。
ソフトウェアなど開発しているものが指示書の通りに動くコードを書くのが仕事であり、プログラミングの知識が必要です。
プログラミング言語にはJavaやPHPなど様々な言語があり、一つの言語を極めるのではなく、複数の言語を必要に応じて使いこなせるスキルが求められます。
それに対してインフラエンジニアの仕事はプログラマーの仕事と比べるとあまり知られていません。
ネットワークやサーバーが途切れることなく動くように監視・運用をしたり、エラーが発生した際にはそのエラーの原因を突き止め解決したりするのがインフラエンジニアの仕事です。
私たちが普段問題なくインターネットを使えているのも、インターネットで管理されている信号などと言った街中のシステムが常に稼働しているのもインフラエンジニアのおかげと言えるでしょう。
インフラエンジニアに必要なスキルは正確さと、バグに対応するために様々な解決策をイメージする想像力です。
プログラマーの仕事は何度も失敗して仕事を成し遂げますが、インフラエンジニアの仕事は失敗が許されません。
そのため責任も重大であり、その分プログラマーよりも平均年収が高めの仕事となっています。
「SE」の求人には要注意！
IT業界の仕事と言われると「SE(システムエンジニア)」という名前が真っ先に浮かぶ人が多いでしょう。
しかし、未経験OKのSEの求人は要注意です。
SEの仕事はプログラマーに指示をすることであり、プログラミングをする仕事ではありません。
プログラマーの仕事をSEの仕事と勘違いしている人は多いですが、IT企業でこの勘違いをしているのはあり得ないでしょう。
そのため、SEを募集していて実際の業務内容がプログラマーの仕事だった場合、企業がITに関する知識が無い可能性が高いです。
また、本当に未経験OKでSEを募集している企業もごく稀にありますが、一切経験が無い人がSEの仕事をすると、的確な指示を出せないためにプロジェクトが上手くいかなくなってしまいます。
したがって、未経験OKでSEを募集している企業にはなるべく応募しないようにしましょう。
未経験から転職できる仕事はたくさんある！
ここでは飲食業界・ホテル業界・IT業界を20代後半・未経験という条件で転職したい人におすすめしましたが、それ以外にも未経験から転職できる業種はたくさんあります。
ただ、30代に入ってしまうと未経験の職種への転職が難しくなってしまうため、しっかり考えて楽しく働ける仕事に就きましょう。