引き抜きを受けて転職するときの注意点

転職 引き抜き 注意点

とても優秀で実績も十分にあり、業界で名を知られるようになると引き抜きを受けるときがあります。

魅力的なオファーを受けて気持ちが揺らぐかもしれませんが、軽い気持ちで転職してしまうと後悔するかもしれません。

引き抜きの声がかかって転職したいと思ったときにどんな点に注意しておいたら良いのかを確認しておきましょう。

引き抜きについてまず理解しよう

引き抜かれて転職する人はあまり多くはありませんが、自分にその機会が訪れる可能性もあります。

声がかかったときにこれが引き抜きだとわかるように、まずは引き抜きがどのようなものなのかを確認しておきましょう。

他者からの直接のオファー

引き抜きは転職活動をしているかどうかに関わらず、他社の重役や人材採用に関わる部署の担当者からのオファーです。

他社から直接本人に対して連絡があり、うちの会社に来て働いてくれないかという話を持ちかけられるのが一般的です。

他者にも活躍が聞こえているような優秀な人材に対してオファーがかけられるのが通例で、現職で働き続けるよりも高い年収を提示され、より良い待遇で働けるようになるでしょう。

あくまで他社が人材として欲しいからオファーをかけているという形なので、受け入れることも断ることもできます。

年収や勤務時間、職務内容や勤務地などの交渉をするのも自由で、納得できる内容になったら転職するのも問題ありません。

即戦力を求めるのが一般的

企業が引き抜きで人材を獲得しようとしているときには、基本的には即戦力の人材を求めています。

活躍が噂されている他社の人材に魅力を感じ、すぐにでも入社して欲しいという希望を持っているのが通例です。

あるプロジェクトのリーダーとして働いてもらいたい、管理職として採用して現場の体制を整えなおして欲しい、特殊な問題を解決するためのアイディアマンとして活躍するのを期待したいといった様々な目的での引き抜きがあります。

これらに共通しているのは社内教育をしなくても即時に活躍できると考えられていることです。

企業の存続がかかるような重大な物事が社内で動いているときによく引き抜きが行われています。

引き抜かれるメリット

他社に引き抜いてもらうと高い待遇を与えられるのに加え、交渉次第で自分にとって働きやすい環境や条件を整えることも可能なのがメリットです。

必ずしも管理職候補のように昇進の道を進めるとは限りませんが、今まで培ってきた能力や経験を存分に発揮できる場を与えてもらえるのも魅力でしょう。

そして、成果を上げればそれに見合った形でキャリアアップの道が切り開かれていくと期待できます。

今後の活躍の可能性を広げられるという点で魅力が大きい転職の仕方です。

注意点を確認しよう

引き抜きを受けられたらすぐにでも転職した方が良いと思う人もいるでしょう。

しかし、転職する前に理解しておきたい注意点があります。

見落としがあると転職が失敗につながりかねないのでよく確認しておきましょう。

転職後の要求が大きい

引き抜かれた人材には常に高い要求が突きつけられます。

企業として抱えている問題を解決するための人材として抜擢されているので、採用されたらその問題を解決することが大命題になるでしょう。

できないとは言えず、あらゆる手を尽くして解決に励まなければなりません。

あまりにも厳しい要求で困難ばかりになり、残業に追われて疲れ果ててしまうリスクもあります。

人間関係のトラブルが起こりやすい

転職前の職場の上司や同僚とのトラブルが起こりやすいのも注意点です。

職場から離れてしまえば関係ないと思うかもしれませんが、引き抜きを受けた先の会社も同じ業界の場合が多いでしょう。

同業者の場合には色々なところで接点が出てきます。

取引先の企業を介して圧力がかかってくるなど、業務に支障をきたしてしまうこともないわけではありません。

また、人間関係のトラブルは転職先でも起こるので注意しましょう。

他社から突然入ってきた人が優遇されている状況を昔からの社員が快く感じてくれるとは限りません。

成果を上げれば妬みの声が上がり、前評価が高かっただけで成果が上がらなかったら非難を受けることになりかねないので注意しましょう。

キャリアアップを目指せるとは限らない

引き抜かれるとかなり将来展望も良いのではないかと考えてしまう人もいます。

しかし、あくまで企業はたった今、必要としている人材を高い年収を積んで引き抜いただけです。

必ずしも将来的にも社内で活躍して欲しいと考えているとは限りません。

転職後に成果を上げて、そのまま出世街道を突き進もうと思っていたら、昇給はあっても昇進はないといった形で対応されてしまうこともあります。

結果として長い目で見ると収入が下がるリスクもあるのです。

転職先の会社が成長できずに倒産に向かうこともある

最悪な事態として一応想定しておく必要があるのが倒産です。

引き抜きをする場面は苦境から脱却するための大改革をするときや、経済的に余力ができて大きな飛躍を目指そうとしたときがほとんどです。

せっかく人材を獲得しても想定していたように改革を起こせず、業績が低迷するだけになってしまうこともあります。

大きな投資をして事業拡大をしようとした結果が失敗に終わることもあるでしょう。

転職後に企業が成功すれば良いものの、失敗すれば路頭に迷う可能性もあるのが注意点です。

対策を立てるために必要なこと

このような注意点を踏まえて、引き抜きを受けたときに立てておくべき対策にはどのようなものがあるのでしょうか。

少なくとも押さえておきたいポイントが三つあります。

業務内容をできるだけ詳細に聞いておくこと

まず業務内容を詳しく聞いて、何が目標となっているかを正しく理解した上で転職することが必要です。

それがあまりに大きな要求なら諦めておいた方が無難でしょう。

あるいは他にこのような人材がいれば可能だと提案して、もう一人引き抜くことを検討してもらうのも良い対策です。

将来的な待遇について交渉すること

目の前の年収だけでなく、将来的にどのような待遇になるのかも聞いておくのが大切です。

もし納得できない待遇が将来的に訪れる可能性があるのなら交渉してしっかりとしたキャリアパスを作り上げてもらいましょう。

満足できる道を提示してもらえたら転職に踏み切れば良いと言えます。

その際に職場での人間関係も考慮し、妬む気持ちが募りにくいようにしてもらうのも大切です。

十分に企業研究をすること

本当に自分が入ることで大きな成長を遂げられる企業なのかを判断するのも欠かせません。

そのためにはオファーをかけてきた企業について十分に研究し、自分が任された課題を解決することで本当に将来展望が明るくなるのかを考えましょう。

その判断ができるまでは転職を踏みとどまった方が安全です。

覚悟を決めて準備を整えてから転職しよう

引き抜きを受けて転職すると高待遇で働けるようになり、やりがいのある仕事に従事することも可能です。

しかし、要求が大きすぎたり、職場での人間関係でトラブルが起こったり、将来展望が危うくなったりしてしまうリスクもあるので注意しなければなりません。

十分な調査と交渉をした上で転職するかどうかを判断しましょう。

優良な企業で自分の力を発揮できる仕事に従事するために転職できれば大きな成功を遂げられる可能性があるので、引き抜きを受けたときには前向きに検討するのが大切です。

ただし、転職のメリットとデメリットをしっかり把握することが重要になります。

シェアする

フォローする